台湾の主人公は台湾人である

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2013-03-23

台湾独立建国聯盟日本本部委員長   王明理

台湾では近年、228事件や白色テロの記憶が風化しつつある。
人はつらい記憶を忘れたいという傾向があるが、原因は、国民党政府による意図的な風化政策にあると思われる。台湾は未だに228事件当時と同じ中華民国という呪縛の中にある。台湾人は迂闊にも中国人の甘い言葉に騙された過去の教訓を忘れてはならない。 というのも、今また、中共に台湾をのっとられる危険性がすぐそこに迫っているからだ。

2月24日に台湾独立建国聯盟日本本部が開いた228時局講演会において、チベット、東トルキスタン(ウイグル)、南モンゴル(内モンゴル)の方々から、貴重なご意見を伺った。
「台湾は中国の一部であると中国人は(共産党も国民党も)60数年間宣伝し続けてきたから、国際的にはそう思われている」「中国人は侵略する前に、まずメディアを押さえ、情報発信ができないようにする。台湾人は、世界に自分たちの独立性をアピールするなら、侵略されていない今しかない」 チベット人、ウイグル人、モンゴル人は中国人とは全く別の歴史を持つ民族であったにも関わらず、中共に侵略されたあと、国民を虐殺され、国土を破壊され、言語や伝統文化を奪われたまま、誰からも救いの手を差し伸べられずに苦しんできた。彼らの苦悩は、かつて国民党政権の下で苦しんだ台湾人なら、一番理解できるはずだ。
台湾は多大な犠牲を払ったあと、やっと20数年前に民主的体制を手に入れた。台湾人はなんとしてもこの自由な民主的社会を守り抜かなければならない。
皮肉なことに、昔は蒋介石が「大陸反攻」を唱えて中共から台湾島を守ったが、今の馬英九は、両手を差し伸べて中共とハグしようとしている。
それが、台湾人の望む「平和」であり「現状維持」なのか?台湾人や日本人は平和や友好を好む国民性があるが、中国人が「平和友好」と唱える時は、「侵略する準備」か、「援助を引き出す場合」か、「資源を手に入れる場合」と考えたほうがいい。(だから、尖閣に対して今後中国が「平和的解決」を申し入れてきた場合は要注意である)
残念なことに、すでに台湾のマスメディアには中国資本が入り込み、国民党、中共に都合の悪い報道は操作されている。
アメリカは「台湾関係法」により、中共の武力行使に対し、武力で台湾を守ることができる。だが、もし、武力でなく、平和的な話し合いで統一(という名の侵略)が行われる場合はどうだろう?民主的選挙で選ばれた馬英九総統が「平和的友好関係」を結ぶのを、アメリカは阻止できるだろうか?アメリカ政府、日本政府にもそこのところを理解していただき、早目に台湾当局に働きかけてほしい。
しかし、台湾の主人公は台湾人である。他力本願でなく、自分の国を自分で守り育てる 気概を持ってほしいと切に願う。